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小売店舗でインフルエンサーが商品紹介。実店舗と世界を繋ぐ越境型ライブコマース最前線|ShopShops

【一言で言うと】アメリカや日本の小売店舗に中国本土のインフルエンサーを派遣。配信アプリを使い、インフルエンサーがライブストリーミングで商品やブランドを越境で紹介・販売する。

基本情報

展開する国:グローバル(アメリカ、中国、日本等)
設立:2015年
ジャンル:越境EC

なにが特徴か

中国では30代前後のミドルクラス層が拡大を続けている。そんなミドルクラスを中心に、アメリカや日本からライブストリーミングで商品やファッションブランド等を紹介しているのがShopShops(哪逛、ナーグゥワン)だ。

1.中国が起源のライブコマース

Eコマースは便利な側面もある一方で、実店舗と違って商品を手に取って、確かめるというわけにもいかない点が難点でもある。

そんな課題を解消するために登場したのがライブコマース。もともと娯楽のために使われていたライブストリーミングを、商品を目の前にしたライブ解説を見てもらい、納得してから購入してもらうために活用したものだ。

ライブコマースは、2016年にアリババ・グループのオンライン・モール「淘宝(Taobao、タオバオ)」で、オプション機能として追加されたのが起源と言われている。

2.アメリカ発・中国向けのライブコマースを始めたShopShops

そんなライブコマースを中国からアメリカへ持ち込み、大成功を収めている中国人女性がいる。吴若雅(Wu Ruoya、 ウー・ルオヤー )だ。

カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で金融と会計学を学び、その後はアメリカ・ニューヨークのパーソンズ美術大学でファッション・マーチャンダイジングを専攻している。2005年から2年ほど、アメリカの台湾系ファッションブランドで働くが、その後はアメリカのファッションを中国へ輸入する事業を始め、両国間を行き来する生活を送っている。

中国でライブストリーミングが流行っているのを目にした吴が2015年、共同創業者と共にアメリカのブランドショップをネット上で紹介するために立ち上げたのがShopShopsだ。

ShopShopsがタオバオのサイトでライブストリーミングを開始したのが2016年。2018年5月からはSNSアプリのWeChatでも中継を始め、同年6月からは独自アプリからもライブストリーミングを行っている。

3.実店舗に赴くからこそ、ライブコマースにかかる準備を最小化でき、且つ商品を丁寧に紹介可能

ShopShopsの特徴は、何といっても中継を行う番組ホスト(インフルエンサー)が直接、小売実店舗へ出かけて中継をするというそのスタイルにある。これまでの中国のライブコマースでは、ホストが自宅から商品を紹介するのが中心だった為、ShopShopsの取り組みの斬新さが際立つ。

撮影に際しては照明や音声マイク等の大掛かりな準備は不要で、訪問したホストは、持参した三脚にスマホを装着するか手持ちで中継を開始する。視聴者たちが入力するコメントや質問が、スマホの画面に次々に表示され、出演するインフルエンサーが丁寧に答えていく仕組みの為、店舗側の負担は非常に小さいと言える。

これまでに1,000近い小売店舗と提携し、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、マイアミなどから1年間で250回を超えるライブストリーミングを行なっている。OPENING CEREMONY(オープニングセレモニー)、EVERLANE(エバーレーン)などのデザイナーズブランドが中心だ。昨今では日本発のライブコマースも実施しており、紹介する商品はファッションブランドに限らずジュエリーや化粧品など多彩だ。

視聴者はインフルエンサーに自分を投影し、まるでそのショップで実際に買い物をしているかのような感覚でショッピングを体験できる。ライブ配信にはブランドのデザイナーやマネージャーが出演することもあり、通常のECと比べ、商品を丁寧に説明し、視聴者に理解してもらうことが可能だ。視聴者を自分がショップにショッピングに来ているような気にさせる「体験型」とも言えよう。

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中継中の一コマ/Photo by ShopShops

Banner Photo by Becca McHaffie (Unsplash)

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ショップから生中継。ライブコマースは「出張型」で、もはや次世代へ突入か
https://amp.review/2018/08/05/shopshops/

参考


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